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最近、カプサイシンが腱の痛みを和らげたり、あるいは治す効果があるという議論をネット上でよく見かけます。その根拠は、カプサイシンが痛みを感じる神経を活性化し、過剰な負荷をかけることで、痛覚を鈍くし、痛みを減らすからとのことです。

例えば、このサイトではこう書かれています。

カプサイシンは腱鞘炎を患っている関節の痛覚を鈍くする。これはカプサイシンが痛覚をつかさどる神経伝達物質(P物質)の生成を抑制するからです。

そして、この研究結果「Deal, C. L. The use of topical capsaicin in managing arthritis pain: A clinician’s perspective. Seminars in Arthritis and Rheumatism. 23(6):1994;48-52, 1994.」を参考文献として挙げています。

ここで、P物質の抑制効果についてコメントするつもりはありませんが、このサイトは腱に関しては、何も分かっていないと思われます。そのことについて、以下で3つの点を挙げて説明します。

1つ目ですが、腱は関節とは違います。その構造は全く異なります(コラーゲンと軟骨の違いです)。従って、関節に効果があるものが同じように腱に効果があるとはいうのは間違いです。

2つ目に、参考文献の研究結果は関節炎に関するもので、腱の痛みに関するものではありません。残念ながら、関節炎と腱の痛みは違うものです

そして3つ目に、痛みのある部位に熱を加えることで痛みを和らげるという点です。この治療法にはいくらかの効果はあります。温パックを使うことはよくあることです。

しかし、問題は(メントールは腱の痛みに有効か?で書いたように)カプサイシン自体は熱を生成しないことです。もちろん、何か燃えているように感じるかもしれませんが、実際には温度は上昇していません。カプサイシンは体の熱センサーに実際に熱があるかのように反応させているのにすぎません。

ずばり言えば、腱にカプサイシンを使うのはまずいです。また、程度が軽く、あまり長引いていない腱の痛みに対して、氷で冷やすのは良い治療法と言えますが、長期的な痛みに対しては、効果的ではありません。

熱を使うことは科学的に検証された方法ではありません。また、典型的なカプサイシン入りクリームのようなものが効果あったという報告はひとつもありません。チリ・パウダーのようなものを直接皮膚に塗ると、たいていは悪い結果をもたらすという事例報告があります。

もし、あなたが長期的な腱の痛みを患っているのでしたら、それは腱鞘炎ではなく、腱症の可能性が高いです。その場合、温めたり、あるいは冷やす治療法はあまり効果がありません。

長期的な痛みはたいていは腱の劣化が原因です。その場合、劣化している部位を復元するために特別な運動と栄養戦略が必要です。「自宅でできる腱鞘炎・腱炎・腱症の完全治療プログラム」では、運動方法と栄養戦略の両方を学ぶことができます。